Clavinova CLP-170をMIDI入力機として再使用
音が出ない鍵盤、戻らない鍵盤があった電子ピアノ:YAMAHA:Clavinova CLP-170を自分で修理して、無事復活したのは良かったのですが(別投稿【壊れた電子ピアノ(YAMAHA)Clavinova CLP-170の修理復活奮闘記】参照)、私はピアノを弾けないのでただ修理復活だけで満足していました(それなら何故修理するんだ? と言われそうですが、ピアノが壊れたまま置いているのももったいないので・・)。でも、折角電子ピアノが家にあるのでやはりこれは何か活用したい。そこでDTMへの音符入力の為のMIDI入力機として使用を再トライする事にしました。
現在、私がDTMをしているPCとCLP-170は対面に置いていて(これにも紆余曲折があります。DIY:勉強机のリンベーション奮闘記(その1~6)をご参照下さい)、CLP-170の鍵盤を打つ時はPCは背中側の向きになるのでPCの画面は見えません。最初は大きな鏡を設置しようかとも考えましたが、これは左右逆になって直ぐ頓挫する事が容易に予想されたので、現在のデスクトップPCに替える前のノートPCを音符のMIDI入力機として使う事としました(そもそも大きな鏡を買う位ならMIDIキーボードを買った方がはるかに経済的にも利用価値的にも高いというのは解ってはおりますが、でもCLP-170を何とか活用したいという、いつもの私の訳の解らない変な拘りです)。
私はDTMのソフトとしてCubaseを使っています。Cubaseは1ライセンスで3台まででしたらPCにインストール可能ですし、以前使っていたノートPCはCubaseを定常的に動かすには能力的にちょっと役不足ですが、プラグインソフトを入れないでただMIDI入力用のみとして使えばPCの負荷もさほどではなく使用可能です。そこでYAMAHA:Clavinova CLP-170とノートPCをUSB接続して音符はCLP-170の鍵盤から入力する事にトライしました。下がその時の写真です。ノートPCはピアノの上に置きました。
私のピアノ演奏技術の問題はさておき、CLP-170からの音符MIDI入力は問題無く出来ました。ただし、作業中に一つ困った事が生じてしまいました。ノートPCを CLP-170の上に置くのは良いのですが、マウスの位置が遠すぎて使いずらいのです。これ、結構作業効率悪いんです。さて、どうしたら良いか・・。そこで、思い切ってマウスパット用の台を鍵盤の手前にDIYにて設置して、マウスは手元で操作出来る形にDIYする事にしました。
着脱式マウスパット台の設置
いくらDIYと言っても、そしていくら普段は使っていない電子ピアノといっても、楽器にネジ穴等の傷を付ける気はしません。そしてやはり楽器ですからDTMをしない時はマウスパット台は取り外しが出来る形にしたいです。どうしたら良いか・・よくよく見てると、CLP-170の鍵盤と手前枠との間に3mm程度の隙間があります。今回はこれを活用する事にしました。
具体的には、この隙間部分に金属製カギ型フックジグをひっかけて、そのフックに台を固定しようと思いました。下の写真の左側がカギ型フックを試験的にひっかけてこの鍵盤と手前枠を上から見た写真、右側が横から見た写真です。カギ型フックの設置場所は、私は右利きなので鍵盤の右端、鍵盤の位置からするとかなり高音の方なのでその鍵盤が使えなくても実質上MIDI入力には支障は出ないだろうという割り切りもありました。
今回のDIYで準備した素材は下の写真の通りです。マウスパット台にはいつもの勉強机仕切り板の余った板。そして金属製カギ型フックはホームセンターで仕切り板の幅に合う寸法で適当な長さのもの(2種類)を購入しました。ここで注意しなければいけないのは、カギ型フックの肉厚とフックのひっかけ部分、及び全長の長さです。肉厚が厚すぎると隙間に入りませんし、薄すぎると強度が十分ではありません。フックの肉厚は1.5mm程度のもの選びました。また、そのひっかけ部分の長さが長すぎるとフックがCLP-170前枠の淵から浮いて安定しませんし、その全長が長すぎるとフックが仕切り板から飛び出してしまいぶつかり危険です。
結果的に下の写真に示したック部分長さ30mm、全長115mmと195mmの二種類のカギ型フックを準備しました。マウスパット用台の強度維持を考えて、今回はカギ型フック3本を棚板に固定する事にしました(面積は小さいのでもしかしたら2本でも大丈夫だったかもしれません)。
カギ型フックの固定に際して、各々のフック位置が平行から微妙にずれると、鍵盤との隙間(3mm)に入らなくなってしまうので、平行出しが本件DIYのミソだと思いました。木ねじで棚板に固定する時に踏み台用の木箱にジグの一方を押し付けて動かないようにしてドライバーを回して固定しました。下、左側写真がその時の写真です。
またいくら使っていないピアノといえどやはり楽器です。金属フックで前枠に傷が付くのは避けたかったのでカギ型フックがピアノ前枠と接する部分にはクッションとしてフェルトシートを貼りました。下写真右側が金属フックを固定した写真です。
フェルトを貼った後の金属フック部分を拡大してそのフェルトを含んだ厚さをノギスにて測定した時の写真を下に示します。フェルトを含んで丁度鍵盤と前枠の隙間とほぼ同じ3mm程度に納める事ができました。。
このプレートをCLP-170にセットした時が下左側の写真です。私のDIYとしては珍しく(!)一回の施工で3本の金属フックがしっかりと鍵盤と枠の間に入って固定されました。実際に使ってみてもマウスパットとして使用出来ました。カギ型フックの内側に貼ったフェルトが思ったより秀逸。傷防止効果の他に、厚み調整効果もあり、CLP-170前枠とカギ型フックとの僅かな隙間を埋めてカギ型フックががたつかず、その安定性向上にも一役貢献しました。
そして設置後、幸運にもカギ型フックと鍵盤との間にはわずかの隙間がまだ残っており、このプレートを設置した後でも鍵盤を使用する事ができました。右側が鍵盤を押した時の写真です。押した後、手を離すと鍵盤はちゃんと戻ってきました。当然これら鍵盤のMIDI入力も問題ありませんでした。これは鍵盤が使えなくても仕方ないと割り切ってのDIYでしたが嬉しい誤算でした。
そして、このマウスパット台をCLP-170から外して置いた時が下の写真。カギ型フックのでっぱりをノートPCの背面に来るように置くと、ノートPCの上に綺麗に置けるのでこれも納まりが良いです。
マウスパット台の傾き修正
これである程度の満足感を得て、久々にヒットだと思ったDIYですが、やっぱり素人故か、使うと気になる所が出てきました。それはマウスパット台の傾きです。
マウスパット台の上に水準器を置いて、横から撮ったのが下の写真です。マウスパット台は手前側に少し傾いています。これは、マウスパット台を支えるのがCLP-170の手前枠の極狭い領域(15mm)だけですからある意味仕方ないとは思うのですが、実際に使うとどうも気になって満足できません。マウスパット台ですからさほど力は入れないので操作上は問題無いのですが、安心感が得られません。そこでこの傾きを補正する事にチャレンジしました。
具体的な策は、マウスパット台の底背面に小型ドアストッパーを設置するものです。ドアストッパーはドアにかかる力を床を支柱にして止めてくれますよね。これを縦型に変えて、ドアをマウスパット台、床をCLP-170本体に見立てて、マウスパット台の傾きをドアストッパーがCLP-170を支柱にして支え、保持する事を試みました。一般に売られているドアストッパーは大きすぎてこの棚板には入りきらないので、Amazonで小型のもの(調べた限りでは一番小さいもの:全長120mm)を購入しました。
ここでのミソは、ドアストッパーの設置位置です。マウスパットを右手で操作する時に少し下方向に力がかかりますから、それに耐えるようにある程度「きつく」「しっかりと」CLP-170本体と接するように位置設定する必要がありました。
このドアストッパーをかける前後で、マウスパット台の上に水準器を置いて横から撮った写真を下に示します。ストッパーをかける前は一番上の写真の通りマウスパット台は手前側に傾いている状況です。水準器の気泡が左側に寄っているのが解るでしょうか。
そしてストッパーをかけた時が真ん中の写真です。水準器の気泡が見事に中央に収まっています。マウスパット台の手前傾斜が改善されました。一番下の写真がストッパーをかけた所をマウスパット台下から撮影した写真です。ストッパーが支柱になってマウスパット台を押し上げています。
このドアストッパーをかける前のCLP-170全景の写真を下に示します。ドアストッパーをかける前にはストッパーのレバーが手前側に飛び出している形となります。
次にドアストッパーをかけた後の写真を下に示します。ドアストッパーのレバー部分がマウスパット台の下に隠れて出っ張りも解消されています。これは安全上かなり重要です。
ドアストッパーをかけた後のレバー位置を横から撮ったのが下写真です。ドアストッパーはきれいにマウスパット台の幅内に納まっていて、出っ張りにぶつかる危険性は少ないと思われます。
最後に
ストッパーを組み入れた後のマウスパット台を外してノートPCの上に納めた時の写真です。流石に出っ張りがあるので最初のようには置けませんが、それでも反対側を下面にして置くことでそれなりにノートPCの上に納まっているのでこれはこれで問題無しです。
マウスパット台を再度CLP-170に設置してドアストッパーをかけた時の全景写真です。着脱も簡単に出来ます。
そして、実際に使ってみるとこのドアストッパーの効果は絶大です。マウス使用時に意識的にちょっと強めの力をかけても全く動じず平行を維持してくれています。さらにこれまでの何回かの操作上では一度もドアストッパーのレバーにぶつかることもありませんでした。重ねて、CLP-170の高音部の鍵盤が使用できるのもそのままです。これは自分なりには珍しく久し振りの大ヒットDIYだと思っています。ただ、楽器にこのような細工をする事自体に抵抗を感じる人もおられるでしょうから、これはあくまでも私の個人的な取り組みとしてご理解いただけたらと思います。
肝心の音符のMIDI入力に関しては、私の鍵盤演奏上のスキル上の問題でまだまだ遅くかつ不正確で、現在の所、やっぱりマウスでの直接入力の方がはるかに早く正確な現状です(泣)。このマウスパット台の効果が本当に発揮されるかどうか・・現在は正直な所、ちょっと微妙な所です(汗)。
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