壊れた電子ピアノ(YAMAHA)Clavinova CLP-170の修理復活奮闘記

DIY_DTM(Video)

キーボード取り外し

趣味で昔作ったOriginal曲をPCにて編集するDTM(Desk Top Music)を始めました。DTMを行うに際して、まずは周辺機器整備。音符の入力用にMIDIキーボードを買う手もあったのですが、我が家にはYAMAHA電子ピアノClavinova CLP-170がある。これはMIDIやUSB接続機能を持っているのでこれを使用することにしました。しかし、もう10年以上全く使用していないので音が出なかったり戻らなかったりする鍵盤が多数あります。これまでは我が家のただのインテリア家具。どっちみち使えないならと思い切って、この機にClavinova CLP-170の修理復活にチャレンジしました。
下の写真で丸いシールをはってあるのが押しても音が出ない鍵盤、そしてその中に更に赤の矢印で示した押したら戻ってこない鍵盤があります。一個じゃなくかなりの鍵盤がこの状態ですから正直末期症状に近いですね。まあ~娘が高校卒業してから全く誰も使っていなかったから仕方ないか・・。

と、言っても私は電子機器には全くの素人ですし、いくら壊れているからといってもやっぱりピアノを勝手にいじるのは気が咎めます。でも、ネットを調べてみるとClavinovaの修理を試みている方がおられます。下記のサイトを参考にして分解にチャレンジしました。分解の順序やネジの位置などが解りにくく、これらのサイトが無ければ私には分解は不可能でした。特に鍵盤ガイドレールカバーの取り外しの所が、これが解らなけれ本作業自体が最初で既に行き詰まってしまったのでとても参考になりました。
https://reihoutateyama.blog.ss-blog.jp/2007-09-09
https://shippai5432.hatenadiary.org/entry/20120306/1331040741

下の写真が、まずはClabinovaの天板を外した写真です。一例として、赤の矢印で示した一番奥まった場所に複数個あるネジによりキーボードが止められているため、これらのビスを全て外す必要があります。一か所、向かって右側の奥のネジがその手前にある装置(フロッピーディスクの読み込み機?)が邪魔して普通のドライバーでは奥まで届かない為、全長の長いドライバーでなければネジを外せませんでした。

これより、分解している最中にホームセンターに走りました。下の写真のドライバーを買いましたがこれは全長が40cm以上で、これよりは短くても何とか届きますが、いずれにしても最低全長30cm程度は有する十字ドライバーは準備した方が無難だと思います。

キーボード部分を外した写真です。ひとつひとつ確認をしながら慎重に行いましたので、ここまでに数時間を要しました。写真中央に見える青いケーブルがキーボードと情報をやり取りするケーブルです。このソケット部分は左側の側板の陰で見えませんが、キーボードを外すときはこのケーブルのソケットも外す必要があります。短いケーブルでかつ小さいとケットですので気を付けて。

電極清掃と位置合わせ

電子ピアノの鍵盤と電極の関係は下の写真のようになっていると予想されます。ピアノの鍵盤を押すとそれに付随したジグ(下の写真では青色のバーとしてイラストで組み込みました)が反対側の導電ゴム(灰色)を押して、そしてその灰色の導電ゴムがその後ろにある緑色の基盤の表面に印刷されてある電極を押してスイッチが入る仕組みだと予想しました。これより音が出ない鍵盤はこの電極と導電ゴムのでっぱりの部分が微妙にずれているか埃が溜まって接触が悪くなっていると考えました。

そこでこの電極との位置合わせ、及び埃取りをするために基盤と鍵盤をはずしましたが、キーボードは電極が印刷されている基盤(写真のグリーンのプレート)にピアノの鍵盤がそのまま設置されており、この基盤は数枚がその接合部をネジで繋がれているだけです。特別全面をサポートするような大きな枠等はありませんでした。長いキーボードで持つとたわみもしましたので、そのたわみにより基盤の接合部にひび等が入らないよう、たわまないよう慎重に取り扱う必要がありました。ここで基盤に亀裂でも入ったら一巻の終わりですので、基盤は特に接合部を中心に全体を大きく手に乗せて出来るだけその重みでたわまないようにして裏返しました。

このキーボード部分を「裏返した」のが下の写真です。鍵盤の表面は写真の下側になります。写真中矢印でしめしたビスを外して基盤を取り外しました。


基盤のビスを外して、さらに基盤の電極部分を調整するために、再度基盤のみを「ひっくり返した」のが下の写真です。先にも示しましたが、ピアノの鍵盤の先の部分が写真の灰色のシート(導電性ゴムあるいは金属の接点が埋め込まれているシートと予想)のでっぱりの部分を押し、そのでっぱりの部分が緑色の基盤の電極(写真下(2枚目)に示した金色の印刷されている部分)に触れて電気が流れて音が出る仕組みだと思います。
 この灰色ゴムシートのでっぱり部分と基盤の電極部分の位置が合わなかったり、電極表面が埃や油等で汚れていたりしていると、鍵盤を押しても電極に電気が流れないので音が鳴らないのでしょう。
 鍵盤と下の電極、および電極と鍵盤の間に入っている灰色シートをひとつひとつ乾いた布と綿棒で拭いて掃除し、位置調整を行いました。鍵盤と電極+シートの位置は、ズレているようなズレていないようなかなり微妙な感じでしたが、音が出ない鍵盤は1mm位、シートのでっぱり部分と電極の位置が微妙にずれていたような感じを受けました。

組み立て

さて、クリーニングと電極。シートの位置調整を慎重に行い、これまで外したと全く逆の工程でビスを取り付けキーボードを組み上げてClavinovaに再セット。
 電源ON。⇒な!な!な!なんと・・全く音が出ない!。今度は全ての鍵盤の音が出なくなってしまいました。何故? もう一度鍵盤を外して調整しようとすると、鍵盤と本体を繋ぐケーブルが外れていることに気が付きました。このケーブルの位置と長さが結構微妙。鍵盤を組み込む時に少し傾けなければいけないのですが、そうするとケーブルの長さが短くてソケットが外れてしまいます。ソケットが外れないように組み込むまで3回トライを重ねました。ケーブルがぎりぎりに設計されています。(もう少しケーブルを長くしてくれれば良いのに・・(泣))。

何にしても無事鍵盤を組み入れ、電源ON! やったー! 全ての鍵盤から音が出る。さらに戻らなかった鍵盤も戻るように完全復活をさせる事が出来ました。PCからの出力をClavinovaにつないでClavinovaから音を聞くと俊逸な音質です。最高!!! 

Clavinobaの復活に土、日の週末を費やしましたが、復活した時はとても嬉しかったです。この嬉しさの為、YouTubeにアップしたOriginal曲:2曲目のビデオ背景にこのClavinovaのイラストを記念に入れました。
https://www.youtube.com/watch?v=w4ChE5ZJqco
ちなみに、私は実は全くピアノは弾けません。鍵盤も人差し指で1回ずつです。折角復活したClavinovaですが、結局DTMでの音符入力はPCのマウスから行っています。でも復活した事だけで大満足!

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