Vocaloid 6にて初音ミクの英語発音(音階・音節)を試してみました

DIY_DTM(Video)

はじめに

2022年10月13日にVocaloid6が発売となりました。これまで私は「初音ミクV4Xバンドル」にて初音ミクの音声入力を行って来ましたが、この「初音ミクV4X」はVocaloid6でもボイスバンクとして使用できる模様です。

そこで、Vocaloid6で初音ミクにボイスバンクとして歌ってもらい、初期に私がかなり苦労した英語発音の音階変更についてその効果の程を確認してみました。
結果として、かなり面白い違いが確認出来ましたのでお伝えさせて頂きます。
なお、本投稿では別投稿「DTM:初音ミク:英語入力(2):単語内で音階を変えるには?」で示した内容と比較する為、一部同じ図、音声データを用いております事ご了承下さい。

音節の最後が子音の場合

一番違いが出たのが、音節の最後が「子音」の場合です。前投稿「DTM:初音ミク:英語入力(2):単語内で音階を変えるには?」では音節の最後が「母音」になる例から先に記載しましたが、今回は大きな違いが出た子音の結果をまず紹介させて頂きます。

 下の図が今回入力した単語と音階です。16個の単語(単語の音節は1つ、そして各単語最後の子音の発音が違う)をド⇒レ⇒ミ⇒ファと音階を付けて入力したものです。英語は音節で入力する為、全ての単語は音節が1のみですので、上がって行く音階は単語の最後に「-」⇒「-」⇒「-」として入力しております。

(1)まずは初音ミクV4Xの結果:次の音声をお聞き下さい。

全ての単語で音階を上げて発声する事は出来ませんでした。一つの音節で単語を言い切ってしまい(例:with(ド)のみ)、続く音階(レ⇒ミ⇒ファ)は全く発音されませんでした。すなわち、複数の音階にまたがってこれらの単語を発音させることは出来ませんでした。

(2)次にVocaloid 6の結果: 次の音声をお聞き下さい(初音ミクV4Xより、Vocaloid6ではちょっとテンポが速くなっておりますがご了承下さい)

凄いですね。全ての単語で音階をフォローして(ド⇒レ⇒ミ⇒ファ)で発声で出来ました。単語(音節)の真ん中を伸ばして最後の音階で音節を閉める形で発音されました。 一つの単語で複数の音階を使用して発声させることが可能であることが解りました。 Good! 凄い!

音節最後の子音が[m][n]「η」の場合

別投稿「DTM:初音ミク:英語入力(2):単語内で音階を変えるには?」で、音節の最後の子音が下に示した[m][n]「η」の場合、初音ミクV4Xでこれらの単語は音階が変わっても発音する事ができましたが、発音に少し違和感を感じる事をお伝えしました。下がその入力した単語と音階です。

(1)初音ミクV4Xの場合 :次の音声をお聞き下さい。

一応、音階を変えて行くことに発音が追随しますが、最初に単語を音節で言い切って、音階は最後の音[m][n]「η」で上がって行く形ですね。これが違和感を感じる原因でしょう。

(2)Vocaloid6の場合: 次の音声をお聞き下さい。

単語の真ん中を伸ばして音階の最後の音で[m][n]「η」で締める形です。個人的には、この方が違和感無く聞く事が出来ます。

音節の最後が母音の場合

次に音節の最後が母音の場合を比べました。この場合は初音ミクV4Xでも音階を上げながら発声出来ていましたので、初音ミクV4XとVocaloid6で違いはほとんど見られませんでした。下の図が入力した楽譜です。

(1)初音ミクV4Xの場合:下の音声をお聞き下さい。

ド⇒レ⇒ミ⇒ファと音階に従って発音されております。音節の最後が母音の場合は問題ないようです。

(2)Vocaloid6の場合:下の音声をお聞き下さい。

発声上ではほとんど違いが解りませんね。

音節の最後が[ai][au]等、一字の発音記号と違って2種の発音が混じったような母音の場合を比較しました。この場合も、初音ミクV4Xでも音階に従って発声出来ていた事もあり、あまり違いは見られませんでした。

(1) 初音ミクV4Xの場合:次の音声をお聞き下さい。

(2)Vocaloid6の場合:次の音声をお聞き下さい。

違いはほとんど見られませんね。

まとめ

初音ミクの英語発音に関して、Vocaloid6で音節の最後が子音でも音階に従って発声出来ることが解りました。これは個人的にはかなり便利で凄い事、英語詞入力を劇的に楽にしてくれると思っております。

私が英語詞の曲を作成する場合、日本語詞の英語変換を行って入力しておりますが、日本語だと一語毎に音階を割り振ることが出来るので幅広い音階を使ったメロディーでの表現が可能ですが、英語の場合、1音節で1音階になる為、例えば日本語で3音階(ド⇒レ⇒ミ)と使ってメロディーを変えている単語が、英語では1音節のみの場合、使えるのは1音階のみ(ド)のみの入力となってしまいます。故にOriginalのメロディーを踏襲するのがすごく大変でした。

 例えば「ことば」だと日本語では「こ(ド)⇒と(レ)⇒ば(ミ)」と3音階使えるのですが、英語だとword(ド)の1音階のみとなってしまいます。
 このため、これまでは音節と音階を合わせるためにかなり難儀して適当な数の音節を持った別の単語を調べたり、音の長さを変えたりして調整してきました{英語の勉強にはちょっとは良かったかもしれませんが・・その割には英語力は伸びていない(汗)}。

それがVocaloid6ではそこまで気にしなくても、音節の最後が子音でも、音階をまたいで発声してくれることが出来ます。英語の発音的にこれが正しいのかどうかは解りませんが、少なくても入力のしやすさは格段に容易になりました。そして個人的にはこの発音にさほど違和感は感じずに聴くことができました。

「初音ミクV4X」はプログラム的にはVocaloid4で、Vocaloid6にて「初音ミクV4X」をボイスバンクとして使用した場合、プログラムのエンジンはVocaloid5になる模様です。いわば、Vocaloid6で「初音ミクV4X」を歌わせると、1ランクアップグレードした「Vocaloid5」のエンジンで発声出来る事になるようです(私の解釈が間違っていたらすみません)。
Vocaloid6に本当に感謝です。Vocaloid6を購入した2023年後半からの私の英語曲は、初音ミクには全てVocaloid6にて歌っていただいております。

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