初音ミク:英語入力(1)で、英語詞の入力には音節が重要で、基本的には一音節で一音階だと学んだ事をお伝えしました。ただ、実際にはやはり一つの単語中で音節の数以上に音階を変えて表現したい事ってどうしてもありますよね。そこで、同じ単語中で音節の数以上に音階を変える事がどの位可能かどうかについて調査しました。
初音ミクの英語版[v4X]において、英語詞のべた打ちの後[-]を入れると前の音が継続される場合がある事をご存じでしょうか?(実は私それを知らないで最初はかなり入力に時間を要しておりました)
この機能を利用して、英語音節の区切りの後に音階を[ド」「レ」「ミ」「ファ」と変えて音節区切りの後に「-」を打ち込み、前の音節の最後の発音が継続されるかどうかを調べました。調査は音節の最後の発生が母音と子音の両方を行い、[Piapro Studioオペレーションマニュアル2.05]にあるVOCALOID発音記号リスト(英語DB)に載っている発音を主に調査しました。一部、どうしても音節の最後に当該発音記号を有した適当な単語を見つける事が出来ず、全ての発音記号を網羅するまでには至っておりませんが、大体の傾向は掴めて頂けるかと思います。
音節の最後が母音の場合
まず最初に、音節の最後が母音の場合について調べました。初音ミク:Piapro Studio打ち込み譜とその時の発生Voiceを下に示します。音節の最後が母音の場合は全部、そのままの母音発生を継続して更に音階が数段上がってもその声を維持する事が解りました。下の図の()赤字が母音の発音記号です。
ただ、同じ母音発声でも、下に示した発音記号が「ai」[au」・・「ou]等ちょっと副音を含んだような母音の場合は少し注意が必要なようです。ずっと延ばすのは前半の音声、例えば[ai]の場合は「アー」をずっと延ばして、最後に「**イ」と入るようです。人の好みにもよるかもしれませんが、個人的には「アイー」と延ばされるよりこちらの方が自然に聞こえると思います。ここまで考慮して作られている英語バージョンのプログラムはかなり秀逸だと思います。
音節の最後が子音の場合
次に、音節の最後が子音の場合について調べました。この場合は母音の場合と全く逆で、一部の子音を除いてほとんどの場合全く発音されませんでした。従って、音節の最後が子音でそれを引き延ばして、「例:old(オールド)をオールド(ド)⇒ド(レ)⇒ド(ミ)」音階を変えるのは無理でした。多分、私たちの発音も「ゆー」と延ばせば、実際には「ゆ-⇒う-:yu- u-」と結局は「う:u」で延びるのでこれと一緒なのかと(だから母音と言うのだとは思いますが・・)。下の図の()赤字が子音の発音記号です。
一部の例外として、音節の最後の子音が下に示した[m][n]「η」の場合、これらの発音は音階が変わっても継続しました。ただ、この発音はなんか少し違和感を感じますね。実際にこれらの子音を用いたまま音階を変える時は、Piapro Studio設定上の調整をして自然に聞こえるようにする必要があると感じました(自分ではトライしておりませんが)。下の図の()赤字が子音の発音記号です。
実用例
母音の後に「-」を追加して音階を変えることが出来ることを知らなかったので、最初、英語曲は結構大変な思いをして作っていました。例えば私の【Blue Sky with you】https://www.youtube.com/watch?v=db0bV8dsEZ4でサビ部分の「Blue**」で音階が下がるところは、一つの音階にあえて意味のない語句を充ててそれに前の語の最後の和音の発音記号「U:」をあてがって作成しておりました。
これが、母音の後に「-」でその音を継続して音階を変えることが出来ることを知ると結構重宝します。例えば、私の【At that city in this city】https://www.youtube.com/watch?v=2whD0a_gvvsでは、[city][-]、[I][-]、[crazy][-]と頻繁に[-]を使いましたが、全く違和感無く聞こえました。
まとめ
音節の最後の発音が母音と子音で、それを引き延ばして音階を変えた表現が可能か、その音が継続されるか調べました。結果として
(1)発音が継続されるのは母音である。
(2)「ai」[au」・・「ou]等ちょっと副音を含んだような母音の場合、ずっと延ばすのは前半の音声、例えば[ai]の場合は「アー」をずっと延ばして、最後に「**イ」と入るスタイルになる。
(3)子音はごく一部の発音を除いて継続されない
(4)子音において、[m][n]「η」の発音は継続されるが聞いていて違和感あり。調整が必要。
という所だと思います。これを把握しておけば、音階によって音節の最後の発音が母音になれば幾らでも別の音階を使えるので英語曲作りの幅は広がると思います。具体的には音階を変えたい言葉の音節の最後の発音が母音(語中でも語尾でもOK)なら、その後に音階を変えて「-」を入力すれば一つの単語の中でも幾らでも[-][-][-]を挿入して音域を変え、表現を膨らませるることが出来ると思います。
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