失敗+プチ奇跡:身元証明に交通違反の青切符

失敗談:雑記(小奇跡)

捕まっている人の横で一時停止違反

大学生の時です。街中に小さな路地があり、私はバイトの行き帰りにいつもその道を走っていたのですが、道路の一部に一時停止が解りにくい場所がありました。ちょっと見過ごすと一時停止の看板を見過しがちな場所です。交通量はさほど多くはないので特別危なくは無いのですが、よく警察がそこで一時停止の検挙をしていました。警察にとっては絶好の穴場だったのでしょう。
私がそこを原付でゆっくりと走っていると・・・、「いました!いました!」 不幸にして一時停止が解らず警察に捕まってしまった人がそこにいました。「あ~可哀そうだな!」とその人を横目で見ながら私は素通り。すると
「ピー!」「そこ止まりなさい!」
私は横に気を取られて一時停止を過ぎてしまっていたのでした。

(お巡りさん)お前、人が捕まっている横で堂々と違反するっていい度胸しているな!?警察を舐めているのか?
(私)いえ、そういうわけじゃありません。ついうっかりして・・。(本当、うっかりです)
そして、一時違反停止の青切符。反則金の支払いでした。トホホ・・(泣)

京都・ユースホステル宿泊

青切符を切られた次の日から祝日と日曜が重なった連休でした。私はかねてから京都方面に一人旅をする予定を立てていて、次の日に京都市内のユースホステルの予約をしていました。当時のユースホステルは、相部屋で寝る事に抵抗さえなければ、食事抜きの素泊まりならカプセルホテルより安い破格の値段で宿泊出来ました。学生で金銭的な余裕が無い割には散策好きだった私は、旅行に行く時は必ずユースホステルを利用していました。青切符の反則金は確か一週間以内に支払わなければいけない決まりがあったと思いますが、一時停止違反で捕まったのは夕方だった事もあり、次の日からの京都旅行の日程を変えるのも嫌なので(面倒なことは早く片付けてすっきりしたい私の性格に反してこの時は珍しく)反則金の支払いは旅行が終わってにして、青切符は財布に入れたまま京都へ出発。初日、数寺のお寺巡りをして夕方予約していたユースホステルへ到着。宿泊手続き。
(ユースのペアレント)はい、会員証出して。(⇒ユースホステルは会員制なので、宿泊するのに会員証が必要です。また管理者の事をペアレントさんと言います)
(私)(⇒あれ・・無い! バックのどこを探しても会員証が無い! あ~家に忘れてきたんだ)すみません、会員証持ってくるの忘れてしまいました。
(ユースのペアレント)身元を証明できるのが無いと泊める訳には行かないよ。学生証とか免許証とか無いの?
(私)(当時は旅先で万が一学生証とか免許証とか落としたら大変だから、これらのIDカードはわざわざ学生寮に置いてきてしまいました。当時の私の変な意味でのリスク管理でした。)すみません、全部家に置いてきてしまいました。
(ユースのペアレント)身元を証明出来る書類が無ければ泊める訳には行かないよ。
(私)(⇒シーズン外れでもありユースホステルは比較的宿泊客に余裕があるようなので)すみません。そこ何とかできませんか?
(ユースのペアレント)そんなの出来る訳無いだろ!
(私)でも、結構今空きがあるじゃあないですか・・。何とかペアレントさんの裁量で・・。
(ユースのペアレント)君ねえ、どこの馬の骨とも解らぬ人間を泊める訳には行かないの。宿泊費払わないで逃げられるかもしれないじゃないか。駄目なものは駄目!


(私)(⇒ずっと楽しみにしていた・・旅行がこれでおしまいか・・。ホテルに宿泊出来る程のお金の余裕は無い。グスン・・   あ、あ・あ! 財布に前日の交通違反の青切符。)これ、昨日交通違反して警察から切られた青切符です! これ自分の名前と住所書いているし、警察が発行しているから公文書ですよね。
(ユースのペアレント)(笑)  仕方ないなあ~。でも今回だけ特別だよ。次からはちゃんと会員証忘れないようにね。
と、いう事で特別に許可していただき晴れて宿泊出来ることになりました。(めでたしめでたし) 反則金の支払いでかなり恨めしかった青切符が私の窮地を救ってくれました。この時は青切符に「君~良くここにいてくれた!」「結構やるじゃないか!」と感謝の気持ちで一杯でした。(ちょっとおかしな感じですが・・)

出戻り

京都方面と一口に言っても、京都市内、宇治、奈良、天橋立等、行きたいところは数多く、数日の休み中、これら広域を十分に堪能する為には目的地の近くのユースホステルに泊まるのがベストです。観光シーズンから外れた時期でもあったため、事前予約の電話を入れると、どこのユースでもベットの空きはあるのですが、電話で私が「会員証忘れてきたんですけど泊めていただく事出来ますか?」と聞くと、全てのユースからの返事は駄目!(⇒当然ですよね) 他のユースで最初のユースペアレントと同じ交渉をする程私も無神経ではなかったので(⇒と、言うより最初のユースペアレントさんは特別に許してくれたのだと思い、他のユースペアレントにそのお願いをする気は失せておりました)、結局夕方に同じユースに舞い戻り
(私)すみません、今晩もよろしくお願いします。
(ユースのペアレント)お前また来たんか?
なんやかんやで、結局そのユースに4連泊お世話になりました。
最終日の朝、
(私)本当にお世話になりました。
(ユースのペアレント)お前もう二度と来るなよ!(笑)
との嫌味な程の清々しい言葉。昔はこういうアットホーム的なユースが沢山あって安く楽しい旅が出来ました。

2年の後に

大学の友人に「このユースとってもアットホームで素敵だから京都方面行った時はお勧めだよ」と言ってから2年位経った後、その友人が本当にそのユースに宿泊しました。宿泊手続きの時、彼が会員証がバックの奥に隠れていて最初忘れたかと焦って探していた時、
(ユースのペアレント)前に会員証忘れて交通違反の青切符で4泊もしたやつがいたよ!と・・。
(大学友人)「それ俺の友達」と言おうと思ったけれど、自分はそういう人間と一緒にされるのは嫌なので黙っていたよ。俺はちゃんと会員証持ってたけどな。と帰ってきてから自慢気に言われました。

ユースのペアレントさん、改めて当時泊めていただいた事どうもありがとうございました。もう時効の話だとは思いますが、もしかしたらペアレントさんの対応は規約違反だったかもしれないのであえてユースの名前は控えさせて頂きました。今となってはとても懐かしい良い思い出です。
でも、旅行の前日に交通違反の青切符切られてそれがID代わりになったって、かなり珍しい、ちょっとしたプチ奇跡だと思いませんか? 私はこのようなプチ奇跡を何度か体験しています。もしもあの時、青切符を切られなければどうなったんだろうか? はやくすっきりしたい私の性格に反してたまたまその時は反則金の支払いを旅行から戻ってからとしようと思った事等、ユース会員証を忘れる私を助けるために青切符が私の財布の中に残るように運命が仕向けたのとも思ったりしています。ただ実際には、私がユースの会員証を忘れなければ何も問題は無かったので、ただ単に全部私の注意不足が招いた事なのですが・・。

コメント

タイトルとURLをコピーしました